ハシバ木の家

誰にでも利用しやすいソーラーシステム

太陽エネルギーには二つの利用法があり、一つは光利用。もう一つは熱利用。『びおソーラー』は、太陽熱利用システムです。 『びおソーラー』は、建築家であり、東京藝術大学教授だった奥村昭雄(1928~2012年)さんが考案した空気集熱式ソーラーを元に開発されたパッシブ・ソーラーシステムです。
空気を床下に移送する過程でお湯を採る種類のものもありますが、設備費用が増大することと、メンテナンスを欠くと水漏事故の心配があることから、びおソーラーでは採用していません。
びおソーラーは、このシステムが持つ、最も肝要なる「太陽で床暖房」することにしぼり、直球一本勝負により、安価で、誰にも利用できるシステムを目指して開発されました。

冬に暖かく夏に涼しい、びおソーラーの秘密

冬は、太陽熱で温めた空気を室内に取り入れて暖房・換気します。
夏は、日が沈んで、外気温が室温よりも下がったら、外の涼しい空気を採り入れます。

冬:昼間、 屋根で集熱し、 床下に蓄熱。暖房しながら、 換気もするシステムです。 夏:昼間は、 緑のカーテンなどで遮熱し、夜間、 外の冷気を取り入れます。

びおソーラー6つの魅力

  • びおソーラーはシンプルシステム

    びおソーラーは太陽熱を利用した暖房に機能を限定したシンプルなシステムです。お湯採りや暖房機器との連動といった機能は持っていませんが その分導入コストが低く抑えられ、先々のメンテナンスもシンプルになります。

  • びおソーラーは新築に限らず改修にも対応

    びおソーラーは、高性能集熱パネルを使用して太陽熱を集めます。このパネルを建物や敷地、用途などの諸条件に合わせて配置するので、新築に限らず改修物件にも利用することができます。

  • びおソーラーで温熱バリアフリー化

    びおソーラーは集熱空気を床下に送り、土間コンクリートに蓄熱させながら建物全体に広げていく「全館暖房」を基本として計画します。この仕組みにより、「ヒートショック」の起きにくい温熱環境を実現することができます。

  • びおソーラーは寒くならない換気システム

    高断熱・高気密化された建物にとって「換気」はとても重要ですが、暖房中に換気すると冷たい外気が入ってくるので、せっかく暖めた室温が下がってしまいます。びおソーラーは、外気を太陽熱で温めてから室内に取り入れるので、室温を下げることなく換気することができます。

  • びおソーラー的補助暖房の考え方

    太陽が無い夜間や天気の悪い日は、エアコンやストーブなどで暖房することになりますが、その際に、びおソーラーのファンを室内循環運転(フル機能版のみ)させることで暖房室だけでなく、その周辺まで暖気を広げることができます。薪ストーブも、びおソーラーのファンと組み合わせて使用すればより効果的でしょう。

  • びおソーラーの夏の夜は涼風取入れで寝苦しさを解消

    びおソーラーの夏モードは、日中は熱い空気を室内に取り入れないように集熱面側のダクトを閉じて、ファンは停止していますが、夜になって外気温が低くなると、外気を取り入れます。防犯上、窓を開けられない場合でも、涼風取入れ運転により寝苦しくない夜を過ごすことができるでしょう。

びおソーラーの導入を計画する場合、建物や敷地条件だけでなく地域の気候特性をしっかり把握して検討しなければなりません。そのためのツールとして温熱環境予測シミュレーション・ソフトが「WinEGCAL」です。
このソフトでは、設計中の建物の熱的な性能仕様等を入力し、建築地の「アメダス気象データ」を使って計算することにより、その建物の温熱性能、びおソーラーの効果などを予測することができます。

フォレストバーンで使う長野県の木材は、信州木材認証センターで製品認証されたもの。乾燥・品質・寸法などで厳しい基準をクリアしています。
外壁に使う信州カラマツは変質や劣化が起きにくい素材で、そのうえに10年間メンテナンス不要の塗装を施しています。 さらに、床材や柱にはスギ、梁などにカラマツやアカマツ、土台にはヒノキ。信州認証製品をはじめとして、JASなどの認定機関が一定の品質を認めた国産材をふんだんに使っています。
丈夫で安心、体も優しく、メンテナンスもしやすい。私たちが木にこだわるのにはそんな理由があるのです。
フォレストバーンでは『テックウォール』という独自の壁構造を考えています。その根本には、湿気が多い日本の気候風土の中で、単純に高機密高断熱の家でいいのだろうかと考えるからです。 『テックウォール』で実現したいのは、昔ながらの土壁のような呼吸する壁。しかし、昔ながらの方法で施工すると断熱性能が落ちるので、調湿性能のある自然素材の断熱材で高断熱を実現し、その上で、相対湿度に応じて湿気が通り抜ける壁を実現しているのです。イラストはこの原理を解説したもので、夏と冬では湿気の通り方が変わる可変透湿性能をご案内しています。
その安心の上で、お好きなテイストに空間をデザイン(間取りと外観など)する『パッシブ+デザイン』が、フォレストバーンの基本です。そうすることで、改正省エネ基準にも合致したエネルギーロスの少ない快適な住まいをご提案できると確信しています。
フォレストバーンでは、ハイテク機器に依存しないパッシブライフを提案しています。その要となるのが、まずしっかりと高断熱化しようという考え。しかも調湿機能の高い自然素材の断熱材を用いることで、湿気対策も兼ねた高断熱化をするのが大きなポイントです。そして、夏は風通しを良くして北庭から涼風を採りこみ、冬は薪ストーブを使って家中を暖めます。
必要に応じてサーキュレーションシステムを使う方法も提案していますが、基本的には、この骨太のローテクが、フォレストバーンの『気持ちいい』を実現させているのです。
冬の薪ストーブは、暖房能力を持ったエネルギー源です。また優秀な調理器具にもなります。熱々のピザもほんの数分で焼きあ がりますし、コトコト煮込む豆料理やシチューもお手の物。なんと言っても、家の中でパチパチと薪が爆ぜる音を聞いたり、炎が揺れる様を見るのは心が温まるものです。
そこから自然暮らしの中へと連れていってくれるのが、薪ストーブなのです。
木質系断熱材や無垢の床材などにも調湿性能がありますが、フォレストバーンは調湿性能の高い珪藻土(天然スタイル土壁)を内装壁にも使用し、部屋全体で湿気対策を行い、カラっとした気持ちいい空間にします。自然素材断熱材(セルロースファイバー、サーモウール、ウッドファイバーから選択)+可変透湿シート(夏は湿気を通し冬は通さない)+ダイライト+遮熱シートが基本。停電時にも、このローテクの厚壁が自然の酷寒酷暑から住宅の温熱環境を守ります。
さらに私たちは、パッシブハウス建設地の気候風土に最適な温熱システムもご提案しています。