ハシバ木の家

設計のテーマでもある「スクエア」のフォルムが美しい外観。シンメトリックに配置された子供部屋の窓が印象的。
長いカウンターが特徴的なキッチンとダイニング。料理の動線や食卓での会話を、スムーズにつないでくれる。
リビングの一角に設けた和室は、客間としても使えるよう、壁紙や天井は和の色合いを取り入れ、障子を用いた。
2階南側のフリースペースは、家族が思い思いの時間を過ごす場所。

夫婦の夢だったウッドデッキ付きの庭。芝張りや花壇づくりなどはDIYで仕上げ、大好きな花や野菜を植えている。

毎日必ず家族が顔を合わせられるよう、階段をリビングとキッチンの間に配置している。

松本市街、在来線の駅や幹線道路がすぐそこという場所にあるS邸は、子どもたちが数年後に通う中学校が目の前。 更にSの職場も車で数分という立地の良さ。これほどの便利な土地を探すために、施主のS夫妻は長い時間をかけた。 その理由は、これから減っていくであろう「家族の時間」を大切にしたかったから。 ハシバテクノスで一級建築士として建築に携わる多忙なSと、小学校の高学年になって学校行事や課外活動が増え、 家にいる時間が短くなった子どもたち。生活リズムが変わっても、できる限り家族がともに過ごせるようにとS邸は成長する家族の暮らしを見つめた住まいになった。
「リビングをどこよりも居心地のいい場所にしたかった」というSの言葉どおり、 南側の庭に面したリビングはゆったりしたソファとご夫妻の趣味という映画鑑賞が楽しめる大型テレビが据えられ、 手入れの行き届いたグリーンの鉢がいくつも飾られている。長いカウンターで仕切られたキッチンとダイニングも、 リビングとの一体感を大事にしたオープンな設計。空間のつながりで広さを感じさせる工夫がされている。

以前の住まいでは実現できなかった、子供たちそれぞれのスペースを確保した子供部屋。布団を敷けるロフトの下には、成長しても使えるようにとシンプルなデスクを置いた。

2階南側の夫婦の寝室。明るい日差しで、朝もすっきり目覚められるそう。右側の通路は大容量のウォークイン・クローゼットへ続いている。

帰宅した子どもたちが夕飯の支度をする奥様と必ず顔を合わせてから2階の子供部屋へ上がるように、とキッチンの後ろに階段を設けた。 でも「初めて子供部屋ができたので、もっとこもりきりになるかと思ったんですけど、子どもたちもリビングが好きみたいで、なにかと1階にいますね」と奥様は笑う。 以前の住まいでは収納が不便で3LDKの一部屋が納戸になっていたそうだが、新居では適所に使いやすいサイズの収納や棚が設けられ、 室内はいつもスッキリ。片付けのルールがわかりやすく、お子さんたちも進んで整頓してくれるようになったそう。 また、ご夫妻はウッドデッキにもこだわった。花が好きな奥様は庭仕事のあとのティータイム、 Sは子どもたちと一緒にバーベキューと、趣味や家族での時間を楽しめるセカンドリビングとして。
「忙しい毎日ですが、家に帰ると何ともいえない充足感と安らぎを覚えます。自分の勤める会社というひいき目を除いても、 私たちのこだわりを尊重し100%満足のいく住まいづくりができました」と語るS。毎日家族と過ごす時間が、 たとえ短くてもあたたかく満ち足りていることが、 その笑顔から伝わってきた。

敷地面積 537.48m2(162.58坪)
延床面積 112.68m2(34.08坪)
1F面積 81.98m2(24.80坪)
2F面積 30.63m2(9.26坪)
デッキ面積 13.94m2(4.22坪)
工法 木造在来軸組工法
基礎 布基礎
構造材 柱/米ツガ
梁/古材
断熱材 天井・壁/フェノールフォーム保温板40㎜
床/ポリエチレン系サニーライト50㎜
外装材 屋根/ガルバリウム鋼板横葺き
外壁/漆喰塗り壁腰スギ羽目板、一部鉄板サイディング
内装材 天井/スギ羽目板、フェノールフォーム保温板表し
壁/ビニールクロス
床/フローリング
開口部 断熱アルミサッシ+Low-E ペアガラス
キッチン 施主支給
キッチン熱源 IHクッキングヒーター
バスルーム LIXIL(INAX)/ラ・バス
給湯の種類 エコキュート
暖房の種類 薪スタンディング暖房ドブレストーブ